多めが良いと考えている方がいますが、これは間違いです。多過ぎる毛は弓の良さをぼかしてしまいます。多過ぎる毛は、人にたとえれば贅肉です。弓の反応を悪くさせています。毛が少ないと音が痩せると感じるとすれば、その時、やっと棹(木質)の音が現れてくるのであって、弓のキャラクターが鮮明になってくるのです。逆に多過ぎの毛は、せっかくの弓の持ち味が隠れているわけです。
毛の量は、理想を言えば、一列並びですが、現実的には、それより1、2割り増しでしょうか。もしお使いの弓が、多すぎる毛の量でしたら、是非、無駄な贅肉を取って、スリムになって下さい。弓も軽くなり、運弓も軽やかになり、弓の反応が良くなるでしょう。

弓の修理で最も多いのがこれでしょう。チップは弓を落としたりすると大変欠けやすいです。このことは、逆に大切な頭部を破損から守っていると言えます（ヘルメットの効果）。また、接着面積が狭いので、毛替えの際などに割れることもよくあります。破損した場合は直ちに修理をおすすめします。