馬毛について
馬毛は、弓にとって、唯一、通常取り替えられる部分であり消耗品とされます。しかし、馬毛も弓の能力を左右する大切な部分であるので、毛替えの際は注意が必要です。
量について
多めが良いと考えている方がいますが、これは間違いです。多過ぎる毛は弓の良さをぼかしてしまいます。多過ぎる毛は、人にたとえれば贅肉です。弓の反応を悪くさせています。毛が少ないと音が痩せると感じるとすれば、その時、やっと棹(木質)の音が現れてくるのであって、弓のキャラクターが鮮明になってくるのです。逆に多過ぎの毛は、せっかくの弓の持ち味が隠れているわけです。 毛の量は、理想を言えば、一列並びですが、現実的には、それより1、2割り増しでしょうか。もしお使いの弓が、多すぎる毛の量でしたら、是非、無駄な贅肉を取って、スリムになって下さい。弓も軽くなり、運弓も軽やかになり、弓の反応が良くなるでしょう。
質について
馬毛の質は、餌によって決まります。
食肉用(軟らかでなければならない)に飼育される馬は、弓にとって最高です。適度な弾力と強さが備わっていて、健康的です。牧草を食べる放牧馬に比べ、性能が数段違います。これらの馬毛は、高価ですが、弊社ではこれらの馬毛を使用しています。
毛替えの際は、決して値段だけでお決めにならないように。良質の馬毛で、弓の性能が、必ずワンステップはアップします。
毛箱(フロッグ、nut、枠)
の役目?
スティックの手元の部分に取り付けられ、ねじの機能が仕込んであり、前後にスライド(摺動)します。中に毛がとめてあり、頭部に毛の他方の端が固定されていて、ねじをまわしてスティックの張力を調節することが出来ます。かえるのような形をしているので、フロッグ(frog=かえる)と呼ばれています。
黒檀フロッグ➡古くから使用されている素材で、強さ・重さ・汗の吸い易さといずれも最適です。ただし木製ですから、角が欠けやすいので扱いに注意が要ります。弊社の製品には、すべて黒檀を使用しています。
ビオラ弓のフロッグの形➡ビオラ弓のフロッグは角形で製作しております。
黒檀フロッグに関しては丸形もありますのでご用命下さい。
※使用後は必ず毛をゆるめておきましょう。
コントラバス弓のスタイル?
弊社は、バス弓を2つのスタイルで作っています。 ジャーマンスタイル(独式)は、フレンチスタイル(仏式)に比べてスティックの長さはより長く、頭はひとまわり小さく作っています。フロッグの形は著しく異なります。奏法は 独式が弓の下の方からフロッグを包み込むように持ちますが、仏式は反対に上から、いわばチェロのように持ちます。日本では現在仏式に興味を持つ演奏家も増えていますが、全体としてはほとんどが独式です。
スティックの材料は?
現在、弊社では2種類の木材を使用しています。
Neo ブラジルウッド
正しくはマサランデュバと呼ばれ、ブラジルのアマゾン地帯より産出します。普及品の材料として、古くから認知を受けています。
フェルナンブコ
同じくブラジル産ですが、アマゾン地帯ではなく大西洋側の山地(フェルナンブコ州)に産出する希少資源です。現在はワシントン条約によって輸出入が禁止されております。木の中に樹液成分を多く含み、そのことが楽器としての弓の能力(響きなど)を高めていると言われています。弓にとって究極の材であり、弊社の初級弓からすべてこの材で作っています。 これらの材の中より、重さ・強さなどの要素から、楽弓にとって最適な材だけを選び出して製品として仕上げています。
チップってなに?
頭部に糊付けしてある白いものをチップと言います。 このチップはデリケートな頭部を保護し、毛をくさび止めするために欠くことは出来ないものです。また同時に頭部の美しさを表現する大きな要素でもあります。 最も良い材料は象牙です。堅さといい、粘りといいこれに勝るものはありません。しかし法的な規制がある現在、それにかわる材が求められています。弊社は象牙の持つ、堅さ・粘り・風合い等を追求した人工材を、大手素材メーカーの協力を得て開発し使用しています。
天然木か、
新素材(人工材)か?
弊社は、天然木にこだわっています。
近頃は、棹材に、カーボングラファイトやグラスウールを使った弓が登場しています。確かに、いろいろな物理特性を木にちかづけたり、凌駕させようとしたりするものが新素材かもしれません。しかし、本来木材の持っている不安定さ、たとえば、節、杢等の要素は、音楽の世界にプラスの特性として、いきてくると考えております。
たとえば、バイオリンの音色を、デジタル指向で割り切れるでしょうか?
木材は、夏の成長の早い夏目、冬の成長が遅い冬目が交互に層をなす、天然の素晴らしい積層複合材料といえます。これが、音色に幅広く貢献しています。
もちろん、天然木の持っている悪い意味での不安定さは、皆さんのご心配な点でしょう。その点、弊社の生産システムである、高度な機械生産を通しての選別は、悪い材を排除し、良質材の安定供給を実現しています。
十分な原木を備蓄し、ゆっくり天然乾燥をさせる。そして最適材だけを贅沢に使う。
あくまでも天然木にこだわるのが、杉藤です。
ビオラ弓のフロッグの形?
ビオラ弓のフロッグは角形で製作しております。
黒檀フロッグに関しては丸形もありますのでご用命下さい。
ヘルナちゃん出生のひみつ
「ヘルナちゃん」を知っていますか?
高級ヘルナン(フェルナンブコ)材使用のお子様弓の外箱には、バイオリンを弾いている女の子のシールが張られています。気持ちよさそうにお稽古する女の子。この子の名は「ヘルナちゃん」と言います。
弊社はお子様専用のフェルナンブコ材を用いた弓を多数製作しています。フェルナンブコ材は、プロプレイヤーの方々が使用する最高級弓材ですが、このフェルナンブコ材の弓を使って「小さいころから本当の音色で弾いてほしい」と言う願いを込めてそのイメージキャラクターを「ヘルナちゃん」にしました。
1985年頃に、弊社独自のキャラクターとして生まれた彼女ですが、今では数多くの先生方からも「ヘルナちゃん、1本」と言って可愛がっていただけるほどになりました。
本当の弓の良さは感受性の鋭い幼いときだからこそ知ってほしいと思っています。
ヘルナン材の弓にするだけで、音色が断然違います!
バイオリン弓 NO.300(4/4~1/16)¥30,000(税抜き)より、ラインナップ!
このシールをほしい方は、お問い合わせにその旨をお書き下さい。差し上げます。→お問い合わせ
丸弓か八角弓か?
一言で言えば弓の良し悪しには関係ありません。丸弓にも角弓にも名弓はあります。好みの問題とお考え下さい。 弊社ではスタンダード・マイスターシリーズが丸弓、センシティブシリーズが角弓(オクタゴン)をご用意しています。※センシティブシリーズは丸弓も製作できます。ご相談ください。
ラッピングって
どうちがうの?
弓の手元、毛箱の上部に巻かれます。奏者の手と弓のスティックが、実際に接触する部分で手触りを左右します。また、弓の重量・バランスを調整することもできます。
■ 巻き
銀糸
絹糸に銀糸が織り込んであります。軽い材質です。糸の優しい感じと、銀の感触が弓を持つ手に程良い滑り止めの効果をもたらします。
銀線
純銀線 φ0.3mmを使用しています。もっともスタンダードな素材です。
鯨ひげ(イミテーションクジラ)
黒色と白色を交互に巻きます。イミテーションとはいえ、風合いは本物に近いです。 軽量です。
シルクカラー巻き
※その他にも様々な色・デザインがあります。

■ サム・グリップ
トカゲ
トカゲカラー
スーパー牛型押し
イミテーショントカゲ
ゴートシュリンク
ソフトシープ
ヨーギン
 
お問い合わせ
アクセスマップ
弦楽器の楽弓制作 杉藤楽弓社 所在地 : 愛知県名古屋市東区矢田4-28-5
© 2015 SUGITO BOW Co.,Ltd. All Rights Reserved.